第3回クラブ日就を開催して


CLUB NISSHUとは、東北大学のオーディオ研究会と協力して半年に一回我々の日就寮で行うクラブイベントです。今回で第3回の開催となり、来場者も回を追うごとに増えてきています。少し遅くなってしまいましたが、やはりクラブについてわからないと思う人が多いので、インタビュー記事を書きました。この記事を読んで今まで気になっていたけどこれなかったと言う人にどういったイベントなのかが伝われば幸いです。

対談者
鯖味噌 文学部1年。今回のクラブ日就のオーガナイザー。初参戦にして主催に回った。
HIDA 文学部3年。今回のクラブ日就のバーテンダー。留学生に泡盛を布教した。

HIDA クラブ日就を開催して、いろいろ宣伝はしたけど中身が実際にどういうイベントなのかは伝わりづらいからここで話そうと思う。あと、運営側がどういう意図で開催していたのかも。

鯖味噌 そもそも「クラブ」がどういう場所なのか知らない人も多いですからね。私もそうでしたし。

HIDA O-Kenの人も言ってたけど、クラブカルチャー自体の認知が非常に低いというのもある。特に東北大生はみんな×××だし……。クラブといえばナンパしに行くところみたいな見方するひとばかりだってO-Kenの人が愚痴ってた。

鯖味噌 そういうところもあるけど純粋に音楽を楽しめる場でもあるんだよ!っていうのが私たちが伝えたいことでもあるんですよね。

HIDA そうだね。今回のイベントは日就寮という空間について知ってもらったり、日就寮で楽しいことやりたいみたいな意図があるわけだけど、そもそも学生でクラブカルチャーに触れる人を増やして、仙台に学生のクラブシーンを作っていくというO-Kenの目標にも貢献したい。

鯖味噌 そう、今回留学生の人がたくさん来てくれたけど、日本人学生ももっときてほしい。なじみが薄いかもしれないけどとにかく足を運んでみてほしい。音楽に乗って体動かしてるだけで楽しいから!!

HIDA ちょっと運営側の視点からの理念的な話でスタートしてしまったけど、いち参加者としてクラブ日就がどんな行事だったのか準備の時点から振り返っていこうか。

鯖味噌 はい、といっても当日の準備自体は蛍光塗料だったり、周りを暗くしたり、ほんとに簡素な物なんですけど… それでも音楽がかかって薄暗い照明が明滅する空間は非日常的な「クラブ」って感じがしてそれだけでめちゃくちゃワクワクしました。

HIDA クラブっていうのは、単純と言えば単純な空間で、DJブースがあってDJが音楽流してて、ドリンク売ってる人がいれば成立する。私たちのクラブは建物の面白さに頼ってる部分が多いから、バーテンとフードの準備以外は割とサクッと終わったよね。

鯖味噌 今の話聞いてて思うのが、同じ音楽イベントでもライブとは全然違いますよね。ライブはアーティストを映えさせるための豪華な装飾だったり段取りだったり目的が一つなんですよ。一方クラブの場では踊ってもご飯食べてても談笑しててもいい。そんな自由な空間が日就寮の「カオスさ」と相まって面白かったです。あ、カオスっていい意味ですよ(笑)

HIDA そう、僕もクラブ日就以外で「クラブ」には行ったことなかったから、クラブ日就をはじめてやった時は「そもそもクラブってなにするんだ?6時間もやるらしいけど、ずっと踊り続けるの?」って思ってたな。でも、意外に自由な空間で、みんな結構話し込んでたりする。僕がいいな、と思ったツイートがあるんだけど、まさにクラブってこういう空間なんだよね。

https://x.com/lowtech808/status/1730911461785117148?s=20

鯖味噌 そう、そしてフロアの雰囲気に合わせてDJが音楽を変えてくれるからしらけないし、かといって疲れない。いやぁ、ああいうのも技術なんだと感じましたね。あと意外に思ったのは最新の洋楽とかだけじゃなくJ-POPとかも流れてるんですよね。自分が好きな相対性理論の曲が流れてきたときははしゃいじゃいました(笑)

HIDA あと、クラブ日就の名物として日就寮内の見学があるよね。

鯖味噌 あ、そうですね!そして今回は留学生や普段からどんな場所なのか気になってたという近隣の方なんかも案内したんですよ。興味を持ってくれる人が一人いるだけでも、このイベントをやっている意義があるなぁと思いますね。

HIDA このイベント、寮の一般公開でもあるからね。それこそ、5月くらいにやったクラブ日就の方は「日就寮っていったいどんな場所なんだ?」って気になった新入生がけっこう来てた印象だった。

鯖味噌 こういうイベントがあれば普段我々のことを認知していない人でも気軽に来てくれますよね。そういうきっかけの場にするために安い参加費でこれるようにしてるんですよ

HIDA そうだね、クラブのハードルとしてはやっぱり参加に結構お金がかかるというのもあると思う。うちはフリードネーションだし(とはいえ運営はかなりカツカツで回してるのである程度の額は入れてほしいけど)、フードドリンクも安くしてクラブ文化への入り口になれればと思ってる。

鯖味噌 今回はおでんとか、ミートソース&チップスとかがありましたね。あとお菓子も。前から言われていることではありますが、安いフードがクラブ日就の魅力の一つなんですよ。別にもっとお金を取ることもできるんだろうけど、フード出店者たちが善意でやってくれてるんですよね。

HIDA 僕はバーテンだったけど、お酒の種類を揃えるのはかなりがんばったね。留学生の飲む量がすごくて、最終的に枯渇しかけたけど。泡盛とか留学生に飲ませて、泡盛の歴史を教えたりしたの楽しかったな。

鯖味噌 あくまで心付けでやっているのは、これが利益目的のイベントではないから。クラブの場として貸し出すときでも、私たちの福利厚生という目的は崩したくないので

HIDA そうだね。すこし真面目な話をすると、うちの寮はあくまで困窮学生のセーフティーネットというのが第一だから、あまりイベントに現を抜かしたくもないし、しかし自分たちで寮の空間をどのように使うのかを決められる「自治寮」というものがもつ可能性を引き出すためのイベントとかはいろいろやっていきたいんだよね。

鯖味噌 この自治寮の持つ可能性というのは、今後もっと表現できるんじゃないかと思ってます。O-kenからももっと日就寮から要求してもらっていいと言われたので、クラブというイベントによって日就寮らしさ、というのを今後出していけたらいいなと考えています。

HIDA さっき、日本人学生にもっと来てほしいみたいな話してたけど、私としては留学生と話すのはすごい楽しかったな。いろんな国から来てたし。

鯖味噌 もちろん留学生が来てくれるのも嬉しいことですよ。英語が苦手なので最初身構えちゃったんですけどイベントの後半では肩組んで一緒に踊ったりして。中々ない経験でしたが楽しかったですね。そうそう、中には本当はうちに住みたかったって言ってた留学生もいたらしくて。まだ自治寮に対する偏見って言うのは消えないですけど好意的に捉えてくれてる人もいるって言うのはすごく嬉しいです

HIDA 日本の大学は「学生自治」ってものがかなり縮減されてきたから、説明してもピンとこない学生が多いんだけど、特にヨーロッパの大学とかはStudentUnionが発達してるしけっこう話が通じたりするんだよね。

鯖味噌 そ、そうなんですか…勉強しておきます…(笑)
まあでも自治寮っていう言葉ヘの偏見をなくすのに重要なのは案外そういう他国の人たちの存在なのかもしれないですね。

HIDA では、最後にあらためてオーガナイザーに今回のクラブ日就がどうだったか、そして次回(来年5月ごろ)来ようと考えている人に対してコメントをよろしくお願いします。

鯖味噌 今回も多くの人が来てくださって大きな盛り上がりを見せました!この自由でアングラな雰囲気を出せるのは自治寮ならではの利点だと思います。クラブに普段縁がない人でも次回は気軽に来てくれたらオーガナイザー冥利につきますね。次回の開催時には新入生も入ってきているので是非来てください!次回も皆さんと協力してもっとクラブ日就を盛り上げて行きたいと思います!!

今回の記事でクラブ日就に興味をもってくれた方は、DJの方とクラブカルチャーについて掘り下げたこちらの記事もぜひ!