第4回クラブ日就:VJにインタビュー
Creth: 日就寮生。音楽文化や音楽史に興味があり、第4回クラブ日就のオーガナイザーを務めている。 GIN: 今回のクラブ日就のゲストVJ。プログラマとして働く傍ら、仙台を拠点に長年DJ・VJとして活躍している。かつて大学生時代に日就寮に居住していた経験があり、その縁で今回ゲスト参加してもらえることになった。 Creth: それでは、まずは自己紹介からお願いします。 GIN: GINといいます。仙台のクラブでDJやVJをやっていて、VJは20歳ぐらいの時からやってます。 元々はアパレル系のことがやりたくてセレクトショップで働いてて、そしたら友達の繋がりでクラブで遊ぶようになって。それが今の活動を始めるきっかけです。 最初はDJだけやっていたんですけど、音をやる人はたくさんいたので自分は映像をやってみよう、と思ってVJも始めて、今は両方やってますね。 Creth: 今回はゲストVJとして来てくださるということですが、VJとはどんなことをするんでしょうか? GIN: 曲やDJの雰囲気に合わせて映像を流します。基本的には映像編集用ソフトで作った映像を専用のソフトで流す感じで、他にもいろんなことができます。例えば、最近は音に合わせて映像が流れるようにプログラミングするのが流行ってますね。 Creth: なるほど。今回のクラブ日就ではどんな感じのVJをやろうと思ってますか? GIN: 親しみやすく、かつ日就寮ならではの映像を流したいと思ってます。来た人だけがわかるような映像の自由度がVJの魅力なので、皆さんも是非実際に見に来て欲しいです。 Creth: 日就寮ならでは、というのはどんな感じでしょうか? GIN: 日就寮は頻繁にパーティーをする場所ではなくて、普段そこにあるのは生活空間だと思うんです。だからこそ寮でやるのは特別なことで、そういう部分を上手く活かしたいですね。 Creth:クラブ日就に対してそういった認識をしてもらえるというのはとてもありがたいことで、日就寮での生活経験があったからこそのものだと思うんです。良ければ寮生時代のことや、日就寮での思い出を教えてもらえませんか? GIN: 2007年に入寮しました。当時は2人部屋で先輩と一緒に住んでいたんだけど、毎日ビビリ倒してました(笑) よく記憶に残っているのは皆で松島から寮に走って帰る行事で、松島まで車で置いていかれて「頑張って帰ってこい!」って。(笑)今はやらないのかな? Creth: 凄まじい行事だ…。今はやっていませんが、代わりに「月夜の散歩」という、各自荒浜に集まってキャンプファイヤーした後に有志が歩いて帰るという比較的緩めの行事はやっていますね。 GIN: 近いことはやってるんだね。それで思い出はというと、この行事で当時やらかしをしてしまいまして。 深夜に浜辺でキャンプファイヤーをするんだけど、酔いが回ってくると先輩がキャンプファイヤー飛びをするんですよ。 それで自分もやったら失敗して。熱い炭を掴んでしまって。仕方ないから、バイ菌だらけの海で冷やしてたら手が腫れてしまって、救急車で運ばれちゃったんですよ。 他にも、行事がいっぱいあって大きな行事以外でも普段からコンパをやっていて、その中で広いコネクションができるのが寮のいいところだと思ってます。 Creth: GINさんがいたのは寮生が段々減ってきていた頃だと思うんですけど、最近はまた同じくらいの寮生数までどんどん回復しつつあってなんだか感慨深いですね。人が増えてきて余裕ができたので、このクラブ日就も含めて私たちもいろいろな行事をやっているところです。 GIN: 本当に嬉しいです。寮に入っていろんな人と会って、いろんなことをやって、それで当たり前を疑うことができるようになったので、寮にはとても感謝しています。 Creth: ところで、今回の出演オファーはO-Kenのpara君を通じて急な形で始まったと思うのですが、最初に「クラブ日就」なるイベントの存在を知って、そこに出演をオファーされたときの印象はどんな感じでしたか? GIN:…
第4回クラブ日就:ゲストDJインタビュー
いよいよ開催が迫った第4回クラブ日就、今回はゲストDJとして登場するA与Bさんインタビューをしました! Creth: 日就寮生。音楽文化や音楽史に興味があり、第4回クラブ日就のオーガナイザーを務めている。 A与B: 今回のクラブ日就のゲストDJ。日就寮と同じく学生自治寮である京都大学熊野寮の住人で、普段はDJとして活動しながら京大熊野寮でイベントの運営にも携わっている。 Creth: 今回は遥々京都から来ていただけるということで、大変嬉しいです。まずは自己紹介をお願いします。 A与B: A与Bといいます。DJとしてはclub kumano、club yoshidaなどで主に活動しています。他でも活動していて精力的に活動し始めてから2年目になります。 DJとしては主にhouseやgarageを流していますが、熊野寮食堂で寮生と楽しむディスコイベントではJ-POPを流したり、箱に合わせてやっています。 今回もみんなの様子を見つつ、houseやgarageを主に流そうと思ってます。 Creth: なるほど。UKガレージと言うと、具体的にはどんな感じの音楽を流すんでしょうか? A与B: ハッピーなサウンドが好みで、saluteとかももちろん好きです。club kumanoではもっとハードなサウンドが好まれるので、もっとハード目なukgとかdubstepも流します。 最近はJazzっぽいサウンドが入っているのにはまっていて、Jazzy houseとかJazzy breakbeatsとかを今回流してみるかもしれません。 Creth: クラブカルチャーのどういったところが好きですか? A与B: もちろん音楽体験として好きなのもありますが、人が集まる場としてのクラブも好きです。友達とやっているホームパーティーがTikTokでバズって100万回再生ぐらい回っていて、そこで照明や家具の配置など部屋のセッティングを考えるのも好きです。 Creth: 凄い…。ありがとうございます。話は変わりますが、今回、同じ学生自治寮である京都大学の熊野寮から来てもらえるということで、学寮同士の全国的な交流やつながりのありがたみを感じます。他の熊野寮生とも遊びに来てくれるとのことですが、どうして今回club nisshuに出演しようと思ったのですか? A与B: 僕自身は都合が合わず、今まで日就寮に行ったことはなく、学寮交流会にもまともに参加できたことはなかったんですが、今回club nisshuがあるというのを他の熊野寮生と話題にしていたら「行っちゃおうか」となって人を集めて行くことになりました。これも今まで全国の学寮の繋がりを作ってきてくれた一緒に行く熊野寮生や他の学寮のみなさんのおかげだと思ってます。僕ももっと頑張ります。 Creth: 私もこの間「皆でクラブ日就に行きます!DJやりたい寮生がいるんですけど、丁度枠空いてたりしませんか?」みたいな気軽な感じで連絡が来てびっくりしました。今回他の自治寮からも何人か旅行ついでに来てくれるらしいと聞いていますが、こうやって気軽に来てくれるのは本当に嬉しいです! A与B: 全国的に自治寮は減っていっている中で、それでも僕たちはこうした空間が必要・重要だと思っていて、それぞれの寮の良い部分をピックアップしながらみんなで残っていけたらいいと思ってます。 僕たち熊野寮生は熊野寮で日頃活動をしているわけで、熊野寮圏外のことについてあまりわからないけれど、他にもこんな場所があるんだという実感は必要だと思っています。熊野寮のような空間が他の大学・地域にもあって、その大学や地域に貢献していると体験することは自分たちの活動の根拠にもなると思ってます。 Creth: クラブ日就を開催している意図には仙台や仙台のカルチャーの発展に寄与したいという意図もあるので、とても共感できる内容で嬉しかったです。 では、最後に一言お願いします。 A与B:…
自治寮の鍋の作り方
日就寮で共有される鍋の作り方の手引きを公開してみたら面白いのではないかという声があったので、公開してみることにする。もし、皆さんが大量の料理を作ることがあればぜひ参考にしてほしい。 寮自治に鍋は不可欠であるが、Yを除いて鍋を日常的に作る人が少ないし、作ってくれた鍋が微妙であるということがよくある。そこで、寮内の交流と団結促進のために鍋のレシピを公開しようと思う。このレシピを参考に、多くの寮生が大量の鍋を作ってくれることを期待する。 また、熊野寮の鍋の手引きもいいことが書いてあるので参考にしてほしい。こちらはちゃんと昆布や鰹節でだしをとっている。文化レベルが高い。 自治寮と鍋 失敗する鍋の例 先に鍋についての失敗事例を共有する。鍋を作るときはこれを参考にしてほしい。・米を炊いていないし、締めの麵もない 鍋だけで腹はふくれない。鍋は炭水化物とセットであり、鍋だけを作って満足してしまうとなんか微妙な雰囲気になってしまう(私も何度かやってしまったことがある)。米は小コンパでも最低7合用意しよう。締めのうどんはサロンの冷凍庫にストックしてもいいかもしれない。・そもそも量が少なすぎる いちばん多い失敗例がこれである。白菜は丸々ひと玉、もやしは1キロの袋、肉はキロを単位として買うべきである。鍋は大きくあれ。ミツカンの鍋パックは使ってはいけない。あれは基本的にひとり暮らし用のものであり、「鍋」という名前が同じなだけで作ろうとしているものは大人数用のものと根本的に異なる。みりん・酒・醤油で美味い鍋は作れる。・野菜の切り方が適当 ネギは薄くななめに切り、決してぶつ切りにしてはいけない。根菜は5ミリ以下と薄く切るべき。白菜も硬い芯の部分などは細かく切ったほうがよい。安く完成させるために野菜が多めのレシピになっている。野菜の切り方は味を大きく左右するので適当ではいけない。・野菜を入れる順番がおかしい 葉物野菜やねぎなどを最初の方に入れてはいけない。香りや食感が失われる。完成の10分前からが目安になる。また、豆腐なども崩れやすいので最後に入れる。・お湯を沸かし始めるのが遅い コンパの開始が遅れてはいろんなことが台無しになってしまう。鍋の完成が遅れる最大の理由はお湯を沸かし始めるのが遅いこと。鍋を作るとなったらなによりもまず先に鍋に水を入れて火にかけよう。お湯が沸くまでに20分はかかる。鍋の水の量は鍋の4割の高さが標準。白菜やもやしが多いときは減らしていこう。お湯が沸くのを待つ必要はない、根菜類などは切った先から鍋に入れていこう。こうするだけでかかる時間がまるで違う。 鍋レシピ いちばん大きな鍋を基準としている。基本的に鍋ひとつが4000円ちょっとである。中サイズの鍋を作るのであれば2/3程度にするのがよい。 ①鶏鍋鶏肉1キロ~(2キロあると嬉しい)※鶏肉は鍋のなかでくっつくのでよく混ぜること白菜(大)1玉もやし 1キロ大根1本人参3本季節の葉物野菜(春菊、水菜など) 3パックきのこ(えのき、まいたけ、しめじ) 6パック ※しいたけは高い油揚げ 8枚豆腐 4丁長ネギ 3束(意外とコストを圧迫するので入れなくてもよい) 醤油・酒・みりん(それぞれ300mlずつ)顆粒だし 大さじ3~※しょうが1個を細切りにして入れると美味しい ②キムチ鍋豚こま1キロ~白菜(大)1玉もやし 1キロえのき 6パック長ネギ 3束 ↓この具材は見栄えのために最後に投入する豆腐 5丁 ※焼き豆腐の方が合うと思うニラ 3束 調味料キムチ 1キロ弱醤油 100ml~鶏ガラスープの素 大さじ5味噌 半パックきざみにんにく、しょうが ひとつかみずつ粉唐辛子 最後に味を見つつ入れるごま油 ひとまわしかける ③日就寮伝統のけんちん汁人参 1袋大根 1本ごぼう 1本長ネギ 1本(完成の10分くらい前に入れる)豚肉/鶏肉 2キロ里芋(冷凍) 1~2キロ木綿豆腐 3丁うどん 20玉こんにゃく 2枚本だし 適量 味噌 0.5~1キロみりん、醤油、砂糖、塩を適量入れて味を整える
吉田寮裁判報告集会での日就寮生発言
2024年2月16日におこなわれた吉田寮裁判の結審に日就寮生6名が参加してきました。寮生の一部勝訴であり、非常に喜ばしい結果となりました。吉田寮裁判の経緯や詳細については吉田寮の公式サイトで詳しく説明されていますのでそちらをご覧ください。 Home | 京大吉田寮公式サイト (yoshidaryo.org) ここでは、吉田寮裁判報告集会での寮生の発言をアーカイブ的に投稿します。 私は、東北大学の日就寮の寮生です。今回、日就寮は吉田寮の結審があるということで、寮生大会で吉田寮の結審に行こうということを議論して、来ました。なぜそのようなことを議論したかというと、弁護士の方もおっしゃっていましたが、吉田寮の裁判というのは全国の学寮にとって先例になるものなのです。それがどうなるかを、私たちはちゃんと見届けないといけない、それを全国の学寮の方と議論していかなければならない、そういう思いでここに来ています。したがってここで確認したいのは、今日勝訴してめでたいということではありますが、これは単に吉田寮にとっての勝訴だけでなく、全国の学寮にとっての勝利であるということです。今どんどんと廃寮する寮が増えている中で、私たちの学生自治というのが認められて、それが覆される転換点になるということを確認したいと思っています。 やはり私は、今日の判決の前は非常に不安でした。これで吉田寮の完全敗北ということになってしまえば、私たちは、私たちの寮は後に紹介するんですけど、非常に人数が少なく、当局から大きい圧力を受け続けています。そうなると大学が「いけるんだ」となれば、すぐに廃寮のために踏み切って、裁判を起こして…となってしまいます。なので、ここで吉田寮がまけたら次は私たちだというそういう心持ちで来ました。 日就寮の現状というものを少し共有させていただきたいと思います。 東北大学の寮で、現在寮生数が20名ほどですが、数年前は、2019年に一桁まで減ってしまいました。今は少しずつ回復しているという状況になります。 元々の定員は100人なので、なんとか今年は20人、来年は30数人にしていきたいと思っています。建物は1971年に建造されて、熊野寮よりは少し新しい程度ですが、吉田寮のように戦前からの歴史があります。日就寮は、吉田寮の方もおっしゃっていると思いますが、困窮学生のための福利厚生施設だというのを第一に掲げて、寮を守ってきました。ただ、寮自治といっても完全に入退寮選考権を持っているわけではなく、私たちも吉田寮や熊野寮のように留学生や全ての性別に対して入寮させたいという思いがあり、そのための活動もしようとしているますが、(大学)当局との力関係がうまくいっていない状況です。 なぜ日就寮がこんなにも寮生数が減ってしまったのか。2000年代の前半までは常に定員まで(寮生が)いましたが、その理由として大学当局が、時代によって記述はすこし変化しているものの、過激派の拠点だとか、特定の政治党派の影響を受けている、といったようなネガティブキャンペーンを、新入生全員が見るようなものに書き、それを配っています。それを見れば、東北大というのは寮の数が多く、最近は留学生との混住の(家賃が)高めの寄宿舎というものができたりしているので、日就寮の寮生数が減ってしまうという状況にありました。 やはり、「過激派の拠点だ」のようなネガティブキャンペーンが行われると、単に寮生数が減る以上の問題があります。たとえば、一旦うちの寮の理念とか空間的な面白さに惹かれて入ってきた人も、親や教員によって「そういう危ないところは出なさい」と言われて泣く泣く出ざるを得なかった人もいたり、入寮した後に、大学の職員と会う機会があって、退寮を勧めれたりなどがありました。学生がこれから学問をしていこうかと大学に入り、お金がないからという理由で日就寮を選んでくれて、でもそうした寮生が生活をしていくための基盤というのを大学当局が奪ってしまう。こういったことはあってはいけないという思いで、私はこのような寮自治の活動をやってきました。 そこで、この記述をなんとか撤回させたいと色々大学に要求をしているのですが、ほとんど変わっておらず、なんとかこれを撤回させなければいけないというのが私たちの現状での課題です。あとはその過激派のレッテルを貼ることで、日就寮は隣接している寮があり、一部風呂とかを共用しているのですが、そういうところで日就寮だけの負担だけが大きくなることがあり、「改定していきましょうよ」みたいな話し合いを持ちかけても「いや、あなたたちは危ないんでしょ?」や、「そういうところとは話したくないです」みたいな感じで、会話のチャンネルが閉ざされてしまう、こうやって大学によって分断して統治されてきたという歴史があります。 このような根本的な問題は解決していないんですけど、コロナの後に寮生が入る機会があり、それで弾みがついていろいろと広報とかをやってきまして、寮生数が徐々に回復してきました。最近は寮生数が本当に一桁とかになってしまい、寮委員会と一般寮生の区別がないような状況から、属人化していたものをちゃんともう一度軌道に載せることであったり、あるいはちゃんと寮が持ってきた文化、例えば差別をしないだとか、そういうものをもう一度浸透させていくためのガイドラインを作ったりなど、そういう地道な活動を中心に行っています。 あとは、例えば吉田寮とかだったら「クラブ吉田」とかで、外部に寮を開くようなイベントをやっていると思うのですが、日就寮でもそのような活動を少しずつ始めています。 あと、ネガティブキャンペーンを受けているだけではなく、入寮募集活動の妨害というものが続いていて、例えば来週前期入試があるんのですが、そういう時にキャンパスでパンフレットを配らせないと言われていて、去年はなんとか無理やり入っていって話し合って、(入寮募集活動のためのパンフレットを)配ることになったのですが、今年もそれができるのかが危惧されていて、そのために現在寮内でいろいろ議論しながら活動しています。 そこで、はやり日就寮の状況というのは非常に厳しいんですけれど、吉田寮の勝利を見ていて、今後はその吉田寮でついた弾みをいかに全国の学寮で拡大させていくかというフェーズに入ったのかなと、今日の午後はずっと考えていました。で、やっぱり廃寮問題というものは深刻で、今年は東京農工大とか静岡大学の寮でも、自治療が廃寮になるということでして、昨日は私たちは熊野寮で開催されていた全国学寮交流会に参加していましたが、やはり自治寮をめぐる状況というのは非常に厳しい、というような面持ちでいたところで今日の判決だったので、非常に元気付けられました。私たちも本当に(寮生が)一桁しかいない時期に全国の学寮の方から支援をいただいて、それでなんとか寮を維持することができてきたので、今後ともその連携を拡大し、今日こうして呼んでいただけたように、全国の大学の学生自治の空間というものを拡大していければと思います。 ここ最近大学自治をめぐって、国際大学卓越研究大学制度であるとか、国立大学法人法というものが追加され、本当にこう、大学の自治というのが将来どうなってしまうのか、すごい暗澹たる気分で自治の活動をやっていました。こういうことがあるというのは大学の、そして社会全体の新自由主義化というものがあり、さらには社会全体が新自由主義化するなかで個々人が分断されて社会との距離がどんどん遠くなり、それで社会を変えるために活動するというのがイメージできないという、そのような負のスパイラルが今私たちを取り巻いている状況だったのですが、やはりこのような吉田寮とかが粘り強い運動を行い、これだけの人を集めて、あるいは学内で集会をやってということができるというのは、鍋をつつきながらであるとか、そういう風にいろんな人と語り合えるそういう生活空間と社会が接続された交流圏というのがあるからこそ、こういう吉田寮の粘り強い運動があるのだと思います。だからこそ大学の自治を守っていくためには、このような学生自治空間というのは絶対に不可欠だと思います。学生自治寮、学生自治空間ということがあるということが、社会を変えていく上でも最も強い基盤になると私は確信していますので、全国の大学でさらに自治運動の拡大を目指していきたいと思います。ありがとうございました。
日就寮にもゲイは住んでいる!
こんにちは。2023年春に日就寮に入寮した理学部1年、天津飯です。実は僕はゲイなのですが、今回はそのことについて書いてみようと思います。ちなみにゲイとは男性を恋愛的に好きになる男性のことです。 このパンフを受け取る多くの人は10代後半から20代だと思いますが、特にそのような年代は自分のセクシャリティについて悩む人も一定数いることでしょう。それでも周囲には言えない。高校生の時の僕もそうでした。家族にも言えませんでした。 そうではない人も、近年話題になっている「LGBTQ」とか「性的マイノリティ」という言葉は知っていても、実際どのようなものなのかわからない人は多いのではないでしょうか。でもこういうことについてもある程度知っておくことは誰にとっても必要なことだと思います。この文章を読んで、性的マイノリティは決して特別なものではない、普通のことであることを感じてほしいです。 僕は、ゲイやLGBTQについての一般論を話せるほどの年齢や立場ではないし、知らないことがまだまだたくさんあります。しかしせっかくの機会ですし、ここでは全体を通して、一般論よりかは一人称視点で書いてみようと思いました。 まずは、「LGBTQ」「性的マイノリティ」について少しおさらいしておきましょう。世の中では、生まれた時に割り振られた性と性自認が一致し、恋愛的に異性を好きになる人が大多数です。しかしそれは多数派であるだけで、必ずしも全員がそうであるわけではないことは時々忘れられがちです。代表的なのはレズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(割り当てられた性と性自認が一致しない人)であり、それらの頭文字をとって「LGBT」といいます。でも、それが性的マイノリティのすべてではありません。性というものは流動的で、かつグラデーションがあるもので、時に曖昧なものなのです。例えば、男性でも女性でもない、恋愛には興味がない、男性を自認しているが女性らしく振る舞うなど、性にはいろいろなあり方があります。そこで、クエスチョニング(自分の性のあり方がわからない、定めない)、または多様な性のありかたすべてをひっくるめたクィアという言葉の頭文字であるQを組み合わせて、「LGBTQ」と言ったりします。 さて、僕の話をしましょう。僕は日就寮のことは東北大学の前期試験会場でもらったパンフで知りました。学生寮の古き良き人間臭さも残しつつ、学生のことをなにより第一に考えた自治をしていることに強く共感したし、そこに携わって継承したいと思いました。 さらに日就寮では寮生どうしさまざまなことを話し合える環境があり、時には性についての話題についても話したりします。性教育が不足している日本ですが、日就寮のこのような環境は素晴らしいものだと思います。 大人数にカミングアウトするようになったのも日就寮がはじめてでした。僕は高校生のころまでは誰にもカミングアウトできませんでした。入って1ヶ月くらいの頃、長い付き合いになるだろう寮の人たちにはカミングアウトしたい、「彼氏欲しい」なんてこぼしたいなんて思いながらカミングアウトしました。その後家族にもカミングアウトしました。みんな自分が想像していたよりも驚かず、その後も変わらず普通に接してくれています。本当に感謝しています。 入学した2023年の春以降、いわゆるゲイ活動もぼちぼちやってきました。そのころからお世話になっているのは、定禅寺通りにあるコミュニティセンターZELという、ゲイ・バイセクシャル男性向けの施設です。HIV/AIDSの情報発信が目的の施設ですが、仙台のゲイバーなどの情報が得られたり、ゲイの人と話したりもできます。信頼できる方が運営されているところなので、ゲイの人に会うのには敷居を感じるゲイにとっては良いところだと思います。 あとは東北大学には、「東北大学 性を考えるサークルAROW」というサークルがあります。性的マイノリティに関わらず、女性の権利や、性教育についても取り組んでいる団体です。去年は「色々合コン」という企画のなかで、ゲイとバイセクシャル男性だけが参加できる「男子だけ合コン」というものに参加してきました ♪イベントをいろいろやっているので、東北大生の方はTwitterやInstagramをフォローしましょう! 大学に入っていわゆる「ゲイデビュー ()」する前は、僕にとってYouTubeが、ゲイの世界ともいうべき世界を知る入り口でした。新宿2丁目や、ドラァグクイーン、GOGOボーイなど、こんなにおもしろいものが世の中にはあるのか、と思いました。 そもそも、僕が自分がゲイであると気づき始めたのは、中学卒業のころ、ちょうどコロナ禍のときでした。男女よりも男同士のほうがドキドキする自分に気づきました。しかし自分がゲイであるということを受け入れられたのはすぐではありませんでした。クエスチョニング、パンセクシャル、バイセクシャルを経て、ゲイに辿り着きました。結局自分がゲイであると認めると、すごくしっくりきたし、すっきりしました。まあでも最近は「ゲイ」にこだわりすぎなくてもいいかなとも思っていますが、男性が好きなことに変わりはありません。 さらにいまでも僕は、自分がゲイである理由がわかりません。いや、ほんと不思議。無責任なように聞こえるかもしれませんが、恋心もそうであるように、自分の性別(体も心も)って自分の意思とは無関係なんだと思います。だから、僕がゲイなのは神様の仕業だ、というのは一つの真理だと思っています。でも結局ゲイって楽しいので、僕は神様に感謝しています。 最後に、オールジェンダー化を目指す日就寮についてひとこと。まず「男子」しか住めないのは多様性の欠如であり、これは住人にとってはマイナスだと思うので、性別によらない学生の入寮ができたらいいなと思います(今年度は「誰もが住める寮にするための宣言」というものを寮生総会を通じて採択しました)。そもそも「男子女子」という括り方こそナンセンス!……とは言っても、設備的な問題もあるのでそこを乗り越えなければならないですが。 あとは、寮内に「男子」しかいないからといって、寮内での「出会い」に僕は期待しません。相手がゲイでもゲイでなくても、無理にそのような関係を迫ることはセクハラになりますし、日就寮が誰でも住める場所ではなくなってしまうからです。さらに、恋人探しならゲイが集まっている場所でした方が効率がいいに決まっています。 まあとにかく、僕は自分がゲイであるということに気付けてよかったです!! 今は心細さを感じている人もいるかもしれませんが、きっと居場所はあります。性的マイノリティのコミュニティセンターなどに、足を運んでみてください。そして少なくとも、僕は性的マイノリティの味方でありたいと思っています。 もしも僕と話してみたいと思った人がいれば、下のメアドにどうぞ!ankake.tenshinhan@gmail.com
寮生インタビュー:メンタルヘルスと学生寮での暮らし
今回の寮生インタビューはすこし重いけど重要なテーマ「メンタルヘルス」を扱ってみようと思います。メンタルの問題は大学生活につきものですが、自分が当事者になると考えているひとはあまりいないと思います。東北大学の学生にとっても珍しい話ではありません。当事者の寮生と話しながら、学生はメンタルの問題とどう向き合うべきか、セーフティーネットである学生寮になにができるのかを考えてみようと思います。 大学に行けなくなるまで HIDA:聞き役のHIDAです。たまに高草木が元気がなさそうな時に車で外に連れ出したりしています。 高草木:どーも、現在工学部3年の高草木です。日就寮に住み始めてもうすぐ1年。一年生の夏頃から躁鬱の症状に悩まされていて、サークルを抜けることになったり授業に継続的に参加できなくなりました。現在は心療内科や、東北大の学生支援室、そして何より日就寮で暮らしながら穏やかに暮らしてるところです。最近奮発して高いPCを買ったぞ! HIDA:まず、なんでこんなテーマを持ち出したかというと、大学生で鬱だったり精神を病む人がたくさんいて、最近そういう相談に乗ることがすごい多かった。 高草木:大学入学前にそういうことを考える人っていないわけじゃないですか。みんな大学入ることにワクワクしてる。でも、忘れないでほしいのは、大学生ってものすごく精神を病む人が多いんです。留年率は2~3割で、その大半が精神的理由からだと聞いています。 HIDA:私の友人にも、途中で精神を病んで大学を卒業できていない人がたくさんいます。そういう人にとっての大学を卒業する手段、セーフティーネットとして学生寮を捉えなおすような話をしてみたいなと思います。 高草木:よーし! HIDA:じゃあ、高草木がこれまでどう大学生活を送ってきたのかについて軽く聞いてもいいですか? 高草木:最初の方でも言いましたが、東北大に入学した当初は活力溢れる普通の大学生って感じでした。ただ、初夏あたりから授業に出れなくなったり、サークルで知り合った人との連絡が苦痛になってきました。 HIDA:なるほど。初期はそんなに元気溌溂って印象でもなかったけどね。 高草木:好奇心は人一倍ありましたね。最初は原因もわからず、サボってしまったなーくらいの感覚だったけど、今思うと完全にオーバーワークでした。忙しいサークルに二つ加入してたり、たくさん授業をとってみたりで徐々に日常生活が大変になってきて後期はほとんど授業に出れなくなっちゃいましたね。 HIDA:上から目線だけど、好奇心旺盛な大学生って、みんな1年生の前期で絶対に取り切れない量の授業とっちゃうよね。大学受験のノリでなんとかこなすけど。私もそうだった。 高草木:受験期が充実してなかった分、取り返そうとしちゃうんだと思います…。さらに僕の場合は元々躁鬱気質があった(後日判明する)みたいで。一年生の終わりはまぁ苦しかったです。 HIDA:大学行けなくなってからはどうしてたの? 高草木:ぶっちゃけ、ほとんど記憶がない…。一日中ほとんどベッドから起き上がれなかったり、ご飯が全然食べれなかったりでとにかく不毛でした。どうせ休むのだから好きなことでもするか!なんてエネルギーは皆無でした…。 HIDA:後期からってことは、僕が連絡をとらなくなった時期だよね。すぐにそんな感じになってたとは知らなかった。 高草木:でも、HIDAさんのアドバイスのおかげで病院にいく踏ん切りがつきましたよ!それまでは自分が心の病気かどうかが自信なくて、ただ怠けてるだけなんじゃいかって自分を責めることが多かったですけど、「健常な生活を送れていないのなら、心持ちに関わらず障害だから診てもらいなよ」って言葉に納得したおかげで病院に行けました。 再スタート HIDA:当然ながら、大学生活を再スタートさせようとなにかしたら試みたと思うんだけど、それはどうだった? 高草木:病院では病気の特定とそれに合わせた服薬を。大学は学生支援室やカウンセリングに定期的に通ったり、その結果一時的に休学するっていう選択肢を取りました。この休学は自分の中でも大きな判断だったけど、結果的には自分のためになったと思ってます。 HIDA:なにが辛かった? 高草木:症状に個人差はあるのだけど、僕の場合鬱の時に全く動けないせいで家事が滞って、買い出しにもいけないから食料不足になりました。下手に食欲がない分、ほっとくと栄養失調になるんじゃないかっていう危うさがありますね。あとは、大学に行けない、外に出れないことで「社会に所属してる感」がなくなるっていうのは相当心にダメージがきます。一人でいればいるほど思考が負のスパイラルにハマって、希死念慮に苛まれるのが辛いところ。 HIDA:僕のところに連絡が来たのは2年の終わりだったよね?当時はどうだった? 高草木:そのころは通院のおかげもあって、そこまで酷い状況ではなかったです。ただ今まで住んでたUHを2年の年限で退去するのもあって住居探しをしないといけない状況で、正直路頭に迷いかけてたかも。いままで自分が不調のときにはUHの仲間が助けてくれてたおかげで命を繋いでた実感があるから、どうしたもんかと。そんな中で「そういや途中で謎の寮に住んでる先輩いたな」って思い出して連絡しました笑。 HIDA:びっくりしたよ。高草木の近況をまったく聞いてなかったから。 HIDA:日就寮は経済的に困窮した学生のセーフティーネットであることを一貫して重要視してきたけど、これまでメンタルヘルスという観点はあまりなかったように思う。「留年・休学」したら寮に住めないという規定はおかしいからという理由で、留年者も住ませてきたりはしたけど。 高草木:自分のもつ病に向き合うっていう「前向きな」休学もダメとなると、経済的にもメンタル的にもかなりきついですよ…。 HIDA:もう卒業した人だけど、8年かけて卒業した先輩がいたんだよね。いまは国家公務員になって立派に働いてるけど、やっぱりああいう人を見ていると、もっと大学はドロップアウトしかけてる学生を「怠惰」だとみなすようなやり方はやめてほしいと思う。奨学金の停止とか、寮からの排除とか。本当に福利厚生を必要とする学生は、そういう学生なんじゃないのかな? 寮での生活を通して HIDA:寮で暮らしてみてどうだった? 高草木:ご飯が作れなくなったり、買い物にいけなくなってしまった時に助けてもらえるというのはとてもありがたいです。ここだとお互いのリスペクトがあるから、僕の不調が原因で助けてもらいたい、って説明すると協力してくれる。そんで、僕の場合元気な期間もあるから、その時に多少なりともみんなの役に立とうとする。そのサイクルがあるおかげで、単に「施しを受けている」という気分にならないのも自分にとってはありがたい。 さらに、最悪大学に通えずとも「自治」としての活動があるおかげで自分の「社会感」が保てて、おかげで不調のせいで死んでしまいたいと思うことがかなり減りました。これは自分にとっても発見でしたね、入寮前は寮での仕事(風呂掃除や委員会とか)が自分にとって足枷にならないか心配でしたから。 HIDA:ところで躁鬱のきっかけってなんだったのかわかる?大学生活で辛い思いをしたこととかはなかったわけでしょ? 高草木:僕の場合、心の不調のきっかけは日常生活の乱れです、というか医者に聞くと大抵がそうらしい。食べる回数が減る、睡眠時間が減る、生活リズムが逆転する、その積み重ねで崩壊しちゃいます。逆に言えば、上記に気をつけることが1番の予防になります。 HIDA:やっぱりそうなんだ。僕の知ってる人もたいていそうだったな。うまく生活してるように見えても、一部の人を除けば、ひとりで完璧に生活を送れる人なんていないからね。みんなどこかで生活に問題を抱えるし、それが致命的なところになると一気に反転してしまう。もちろん、お金をかければ解決できる問題も多いけど、大学生には無理だからね。 高草木:そもそも1人暮らしが無理なのかもとは思います。人間みんなそんなにうまくできてない。ある程度ほかの人と協力しないと生活できないことって当たり前だけど、ひとり暮らしが当然視されてるから生活が崩壊しても助けを求められない。 HIDA:そうだね。一人暮らしを自明視する必要はないと思う。 高草木:あと、僕みたいに自分に何かしら他の人と比べてハンデがある場合って、「世間一般で言われる大学生活」をするほどの余裕がないわけですよ。授業にでて、バイトをして、サークルに入って…みたいな。でも寮にいるとどの要素も最低限入ってる気がしますね。寮がコミュニティとしての役割をしっかり果たしている分、友達も見つかるし仕事もあるからサークルのような側面もあるし、卒寮生との交流もあるから人生相談なんかもできる。寮費も安いからバイトをしている気分にもなる!!…のはさておき、自分の好きな趣味をやる余地が寮にあるのも面白い。住んでるところで楽器を演奏できたり歌を歌えたりする場所なんてそうそうないよ! HIDA:良い面だけ強調すると胡散臭く聞こえますよ!…
第3回クラブ日就を開催して
CLUB NISSHUとは、東北大学のオーディオ研究会と協力して半年に一回我々の日就寮で行うクラブイベントです。今回で第3回の開催となり、来場者も回を追うごとに増えてきています。少し遅くなってしまいましたが、やはりクラブについてわからないと思う人が多いので、インタビュー記事を書きました。この記事を読んで今まで気になっていたけどこれなかったと言う人にどういったイベントなのかが伝われば幸いです。 対談者鯖味噌 文学部1年。今回のクラブ日就のオーガナイザー。初参戦にして主催に回った。HIDA 文学部3年。今回のクラブ日就のバーテンダー。留学生に泡盛を布教した。 HIDA クラブ日就を開催して、いろいろ宣伝はしたけど中身が実際にどういうイベントなのかは伝わりづらいからここで話そうと思う。あと、運営側がどういう意図で開催していたのかも。 鯖味噌 そもそも「クラブ」がどういう場所なのか知らない人も多いですからね。私もそうでしたし。 HIDA O-Kenの人も言ってたけど、クラブカルチャー自体の認知が非常に低いというのもある。特に東北大生はみんな×××だし……。クラブといえばナンパしに行くところみたいな見方するひとばかりだってO-Kenの人が愚痴ってた。 鯖味噌 そういうところもあるけど純粋に音楽を楽しめる場でもあるんだよ!っていうのが私たちが伝えたいことでもあるんですよね。 HIDA そうだね。今回のイベントは日就寮という空間について知ってもらったり、日就寮で楽しいことやりたいみたいな意図があるわけだけど、そもそも学生でクラブカルチャーに触れる人を増やして、仙台に学生のクラブシーンを作っていくというO-Kenの目標にも貢献したい。 鯖味噌 そう、今回留学生の人がたくさん来てくれたけど、日本人学生ももっときてほしい。なじみが薄いかもしれないけどとにかく足を運んでみてほしい。音楽に乗って体動かしてるだけで楽しいから!! HIDA ちょっと運営側の視点からの理念的な話でスタートしてしまったけど、いち参加者としてクラブ日就がどんな行事だったのか準備の時点から振り返っていこうか。 鯖味噌 はい、といっても当日の準備自体は蛍光塗料だったり、周りを暗くしたり、ほんとに簡素な物なんですけど… それでも音楽がかかって薄暗い照明が明滅する空間は非日常的な「クラブ」って感じがしてそれだけでめちゃくちゃワクワクしました。 HIDA クラブっていうのは、単純と言えば単純な空間で、DJブースがあってDJが音楽流してて、ドリンク売ってる人がいれば成立する。私たちのクラブは建物の面白さに頼ってる部分が多いから、バーテンとフードの準備以外は割とサクッと終わったよね。 鯖味噌 今の話聞いてて思うのが、同じ音楽イベントでもライブとは全然違いますよね。ライブはアーティストを映えさせるための豪華な装飾だったり段取りだったり目的が一つなんですよ。一方クラブの場では踊ってもご飯食べてても談笑しててもいい。そんな自由な空間が日就寮の「カオスさ」と相まって面白かったです。あ、カオスっていい意味ですよ(笑) HIDA そう、僕もクラブ日就以外で「クラブ」には行ったことなかったから、クラブ日就をはじめてやった時は「そもそもクラブってなにするんだ?6時間もやるらしいけど、ずっと踊り続けるの?」って思ってたな。でも、意外に自由な空間で、みんな結構話し込んでたりする。僕がいいな、と思ったツイートがあるんだけど、まさにクラブってこういう空間なんだよね。 https://x.com/lowtech808/status/1730911461785117148?s=20 鯖味噌 そう、そしてフロアの雰囲気に合わせてDJが音楽を変えてくれるからしらけないし、かといって疲れない。いやぁ、ああいうのも技術なんだと感じましたね。あと意外に思ったのは最新の洋楽とかだけじゃなくJ-POPとかも流れてるんですよね。自分が好きな相対性理論の曲が流れてきたときははしゃいじゃいました(笑) HIDA あと、クラブ日就の名物として日就寮内の見学があるよね。 鯖味噌 あ、そうですね!そして今回は留学生や普段からどんな場所なのか気になってたという近隣の方なんかも案内したんですよ。興味を持ってくれる人が一人いるだけでも、このイベントをやっている意義があるなぁと思いますね。 HIDA このイベント、寮の一般公開でもあるからね。それこそ、5月くらいにやったクラブ日就の方は「日就寮っていったいどんな場所なんだ?」って気になった新入生がけっこう来てた印象だった。 鯖味噌 こういうイベントがあれば普段我々のことを認知していない人でも気軽に来てくれますよね。そういうきっかけの場にするために安い参加費でこれるようにしてるんですよ HIDA そうだね、クラブのハードルとしてはやっぱり参加に結構お金がかかるというのもあると思う。うちはフリードネーションだし(とはいえ運営はかなりカツカツで回してるのである程度の額は入れてほしいけど)、フードドリンクも安くしてクラブ文化への入り口になれればと思ってる。 鯖味噌 今回はおでんとか、ミートソース&チップスとかがありましたね。あとお菓子も。前から言われていることではありますが、安いフードがクラブ日就の魅力の一つなんですよ。別にもっとお金を取ることもできるんだろうけど、フード出店者たちが善意でやってくれてるんですよね。 HIDA 僕はバーテンだったけど、お酒の種類を揃えるのはかなりがんばったね。留学生の飲む量がすごくて、最終的に枯渇しかけたけど。泡盛とか留学生に飲ませて、泡盛の歴史を教えたりしたの楽しかったな。 鯖味噌 あくまで心付けでやっているのは、これが利益目的のイベントではないから。クラブの場として貸し出すときでも、私たちの福利厚生という目的は崩したくないので HIDA そうだね。すこし真面目な話をすると、うちの寮はあくまで困窮学生のセーフティーネットというのが第一だから、あまりイベントに現を抜かしたくもないし、しかし自分たちで寮の空間をどのように使うのかを決められる「自治寮」というものがもつ可能性を引き出すためのイベントとかはいろいろやっていきたいんだよね。 鯖味噌 この自治寮の持つ可能性というのは、今後もっと表現できるんじゃないかと思ってます。O-kenからももっと日就寮から要求してもらっていいと言われたので、クラブというイベントによって日就寮らしさ、というのを今後出していけたらいいなと考えています。 HIDA さっき、日本人学生にもっと来てほしいみたいな話してたけど、私としては留学生と話すのはすごい楽しかったな。いろんな国から来てたし。 鯖味噌 もちろん留学生が来てくれるのも嬉しいことですよ。英語が苦手なので最初身構えちゃったんですけどイベントの後半では肩組んで一緒に踊ったりして。中々ない経験でしたが楽しかったですね。そうそう、中には本当はうちに住みたかったって言ってた留学生もいたらしくて。まだ自治寮に対する偏見って言うのは消えないですけど好意的に捉えてくれてる人もいるって言うのはすごく嬉しいです HIDA 日本の大学は「学生自治」ってものがかなり縮減されてきたから、説明してもピンとこない学生が多いんだけど、特にヨーロッパの大学とかはStudentUnionが発達してるしけっこう話が通じたりするんだよね。 鯖味噌 そ、そうなんですか…勉強しておきます…(笑)まあでも自治寮っていう言葉ヘの偏見をなくすのに重要なのは案外そういう他国の人たちの存在なのかもしれないですね。 HIDA では、最後にあらためてオーガナイザーに今回のクラブ日就がどうだったか、そして次回(来年5月ごろ)来ようと考えている人に対してコメントをよろしくお願いします。 鯖味噌 今回も多くの人が来てくださって大きな盛り上がりを見せました!この自由でアングラな雰囲気を出せるのは自治寮ならではの利点だと思います。クラブに普段縁がない人でも次回は気軽に来てくれたらオーガナイザー冥利につきますね。次回の開催時には新入生も入ってきているので是非来てください!次回も皆さんと協力してもっとクラブ日就を盛り上げて行きたいと思います!! 今回の記事でクラブ日就に興味をもってくれた方は、DJの方とクラブカルチャーについて掘り下げたこちらの記事もぜひ!
JET流しそうめん
こんにちは!’23入寮の天津飯といいます!新入寮生2人が務める今期の副委員長ですが、そのうちの1人です。副委員長の仕事のひとつに寮を盛り上げる行事の企画があり、今回はジェット流しそうめんを主催しました! ジェット流しそうめんは数多い日就寮の伝統行事のひとつですが、2017年に開催して以来、寮生の減少や新型コロナウイルスの流行により、開催できない年が続いていました。 今年の流しそうめんの構想は6月からありました。寮生が大幅に増え、日就寮に活気が戻ってきた今こそ復活させたい!!というアツい気持ちを委員会で共有して、7月の開催を計画していました。しかし予定していた7月8日は生憎の雨。その日の流しそうめんは諦めざるを得ませんでした。 しかしここで、東大でジェット流しそうめんをやるという情報が寮内に流れてきます。さらに阪大ではジェット流しそうめんをした、というツイートも。やはり日就寮は、ジェット流しそうめん「本家」として、何がなんでも開催しなければならない!!そうして、夏休みの初っ端にあらためてやろう、と改めて予定を立てました。 準備は2週間前から始まりました。数年前に使ったという雨樋を4階から下階に出してきて洗います。1週間前には、前回の流しそうめんに参加したと言うOP監修のもと、組み立てリハーサルをしました。当初は4階から流す予定でしたが、やっぱりもっとスピードを出してみたい!という「ジェット」流しそうめんの理念に立ち返り、雨樋を屋上から下ろすことにしました。 そのようにして迎えた当日、8月6日。真夏のいい天気に恵まれました。OPも7人が駆けつけてくれて、組み立てを手伝ってくれたり、買い出しにテスラを出してくれたり、天ぷらを揚げてくれたり、流しそうめんを盛り上げてくれました! 肝心の流しそうめんは、雨樋から脱線することもなく、うまくできました!!(水を流すためのホースが短いというハプニングはあったけれど…)いざそうめんを掴もうと挑んでみると、目の前を流れる麺のなんと速いこと。ようやくそのとき「ジェット」の名の意味を理解しました。冷たい水の流れから取り出したばかりのそうめん。跳ねる水。「涼」を感じます。 流しそうめんは横から見るだけでなく、上から見ても面白かった。あっという間に手から離れていくそうめん。流れながらほぐれていくのが見えます。下の方でそうめんを掴もうと悪戦苦闘する寮生たち。愉快でした。 そうして鱈腹そうめんを食べて、数年ぶりのジェット流しそうめんは成功に終わりました。終了後の片付けは「時間があるから」と寮生数名が積極的に行動してくれました。感謝! やはり今回のジェット流しそうめんを僕なりに総括するとすれば、自治は最強だ、ということ。入学してすぐ何かのイベントを企画すること。大人数と協力して準備から片付けまでやること。OPが来てくれて沢山の話ができること。 このような経験が生活の中にある空間が日就寮。これを読んでいるあなたが遊びに来てくれることをいつでも歓迎します。
寮生にインタビュー!#2
前回からだいぶ時間が空いてしまいましたが、寮生にインタビューしていく企画の第2回をやろうと思います。第2回は学部1年の男性さんにいろいろとインタビューしていきましょう。 【インタビュイー】 男性:文学部西洋史専攻。ロシア料理を作るのが趣味。 【インタビュアー】 皮相:文学部哲学専攻3年。政治哲学が専門。春から休学する。 営業トーク? 皮相:本当は寮生インタビューって2月後半とか、受験生が寮を選ぶ時期に公開したかったんだけど、今年は応募とか問い合わせが多すぎて、もうブログ記事どころじゃなくて…。 男性:今年は完全に受け付け業務パンクちゃいましたからね。宣伝頑張った甲斐があったけれども。 皮相:前回は寮のいいところをいろいろアピールしてたけど、もう十分すぎるほど入寮希望者が集まっているので好き勝手に喋ろう(笑)。 男性:いまのところ入寮希望者は何人でしたっけ? 皮相:もう10人だね。いちおう形式的に入寮したきっかけとか聞いておきますか。 男性:入寮したきっかけはツイッターなんですよね。しかも寮の公式ツイッターじゃなくて、寮生のツイッター経由で知って面白そうだと思って。 皮相:特殊なルートだね(笑) 男性:ちょっとある寮生のツイートが「有名」になる事件があったので(笑) 皮相:そこについては掘らないでおきましょうか(笑)。じゃあ、寮に入ってよかったこととかってある? 男性:うーん、お風呂で伸ばせることですかね。寮の風呂、ちょっとした銭湯くらいの広さがあるので。 文学部ってどんなところ? 皮相:さて、じゃあお決まりの営業トークは早めに切り上げよう。ここ二人は文学部だし、受験生も見るだろうから文学部の話をしたい。 男性:いままでのは全部営業トークだったんですか(笑)。何を話しましょう?裏話でもしますか? 皮相:文学部棟は地震のたびにヒビが入って、修理されるまで半年かかるとか?暴露しちゃう? 男性:やめておきましょう。 皮相:じゃあ真面目にどんなところか話してみるか。 男性:いろんなことできるよね~っていうのはあるけど、何もやりたいことが決まってないと何もできずに卒業しちゃう残酷さはある。あるていど、なんでもいいからやりたいことのイメージは持っていたほうがいい。 皮相:そう。さらにいえば雰囲気だけで選ばない方がいい。僕はいまやりたいことがミスマッチしてて、休学することになったからね。「哲学」と「哲学研究」の違いというか。まぁ、院進とか予定してない人はここまで考える必要はないと思うけど。 男性:語学やんないといけないですよね。特に海外を対象とするなら、とりあえずは語学に全力投球すべきってよく言われますよね。 皮相:第二外国語はロシア語だよね?授業大変だって聞くけどどうなの? 男性:授業の進度自体は早くはないんですよ。むしろ丁寧すぎるぐらい。ただ、ロシア語の難しいイメージが広がっているせいでそう言われているだけですね。言語勉強しようとすると、暗記は避けられない。第二外国語をネイティブレベルまで極めようと普通の大学生は思わないから、大変に映るよね 皮相:ロシア語を選ぼうとした理由は? 男性:これはパンフレットの方に詳しく書いてるんだけど、自分の研究したいテーマで使わざるを得ないから 皮相:研究したいテーマって何でしょうか? 男性:大きくふたつあるんだけど、ひとつ目はユーラシア主義の系譜を深めていきたいなと思っていて。 皮相:ドゥーギンとかの思想の基盤になってるやつだよね。ロシアの侵攻以来、けっこう耳にすることが増えた。 男性:あとは中央アジアとか、ロシアの極東における独ソ戦の表象にも興味があります。 皮相:去年のAO入試の時に「ロシア関係の研究がしたい」って言って見学に来たよね。 男性:ちょうどウクライナ侵攻が始まる2週間ぐらい前で、情勢がかなり危うくてそっちの方でもドキドキしてましたね。 皮相:学部1年でそんなに具体的なのはすごいよね。僕は何も決まってなかったもん。もちろん、分野による地図の描きやすさに差はあれど。 中央アジアについて知れ! 皮相:中央アジアの話を掘っていきたい。中央アジアに関心がある人ってなかなかレアだよね。僕はシルクロードとか憧れがあるから、サマルカンド行きたいな~と思ってたけど。 男性:まず1回行きたいですよね。サマルカンド、タシケント。史跡とか巡りたいけど、飯も絶対おいしいはずだし。 皮相:本場のプロフを食べたい。あれ本当に好きなんだよね。最近何回か寮で作ってくれてすごい嬉しかった。…
ムシを飼おう
ドーモ、農学部1年Jです。以前の記事でちょっとだけ語りましたが、私はムシが大好きで、小学生の頃から飼っています。大学に入るまでは、家族に迷惑をかけたくなかったため、国産の種などに限定してムシを飼っていました。 しかし...寮で一人暮らしを初めて、自由な空間だったり、浮いたお金を自由に使ったりして、好きな種を好きなだけ飼うことができるように。 特に実家ではスペースの関係上難しかった温室を整えることができたので、念願の海外種を飼うことができました。 今回はこの棚に居る愛虫達を紹介します。(虫の画像が出るので閲覧注意です) まずはこの子、ビソンノコギリクワガタ(Prosopocoilus bison) CB1 ニューギニア島 西パプア州マピア オス61mm 去年10月のイベントで購入した子です。 上翅は三色のグラデーションをしているのが好きポイント 現在メスを産卵セット(産卵するために準備した土・ケースを総称、ムシ屋語録その2)に投入し、様子を見ています(Fig3) オスは残念ながら☆になってしまった(ムシ屋の中で、『〇んだ』という意味、ムシ屋語録その2)ので、雌のみです。自分はよくメスを未亡人にしてしまいますね。 ボルバキア3かな?? 去年の9月にオンラインショップで買いました。未だに元気でうれしいです。 この子のメスも産卵セットに居ますが、先日、卵が見えました(ウレシイ)。 これからも増種していくつもりなのでその度報告します。 君も寮に入って一緒に昆虫飼育をしよう(もちろんは虫類でも可)! 1累代表記のこと自分はあんまり分からないので、累代表記警察に怒られそうですが、大手オンラインショップを参考にしています。記事に出てくるCBは同産地・別血統の交配個体、WDはワイルド(野外)個体であることを意味しますくわかぶプラネット / 累代表記 https://www.kuwakabuplanet.com/user_data/eon.php 2メイトガード:クワガタに見られるメスを守る行動。日本のProsopocoilusである、ノコギリクワガタでも見られる。また、Prosopocoilusは一般に気性が荒く、同居させるとメスを〇すことがあるので、目視下でペアリングをすることがおおいです。 3ボルバキア:節足動物の共生細菌。受精卵の“性を操り”雌のみを孵化させる。成長したオスを〇すワケではないので記事で用いられる比喩は正確ではない。