工学部オリエンテーションにおける日就寮への言及についての抗議文
工学部の新入寮生オリエンテーションにおいて、日就寮への入寮をしないよう喚起する説明がありました。これは日就寮に居住する寮生への差別喚起であり、学業継続のため安価な住居を必要とする学生にそこへのアクセスを躊躇わせるものです。日就寮委員会として強く抗議します。
誰もが住める寮にするための宣言
2023年度Ⅱ期において日就寮は「誰もが住める寮にするための宣言」を採択しました。日就寮は敬語非推奨をはじめとした福利厚生施設であるための文化のあり方を追求してきました。寮生が大きく入れ替わりつつあるなかで、従来の文化を再確認して継承していく機会が必要であると考え、このような宣言を採択することにしました
東北大学当局による「中核派記述」への抗議
「中核派記述」の経緯
東北大学当局は2000年代中盤からから2022年まで「東北大学の寄宿舎に入寮希望される方へ」という新入生に配布される文書において日就寮を「中核派系全学連が拠点のひとつに位置付けています」と説明していました。私たちは日就寮において中核派のような特定の政治党派の集会などは行われておらず、寮として中核派の活動に参加していないことも説明し、事実無根の記述の訂正を求め続けてきました。日就寮が特定の政治党派の影響下にあるかのような記述は入寮希望者にいたずらに不安を与えるだけのもので、それによって福利厚生が必要であるにもかかわらず日就寮に入ることのできない学生が発生しうる状況は放置できません。
大学当局が日就寮に事実無根のレッテル張りを行なってきた理由について、我々は大学当局が日就寮の廃寮化を検討しているためであると分析しています。東北大学では2000年以降ユニバーシティ・ハウスが建造されており、前総長による「里見プラン」という計画の中には明確に学寮を廃止して学生寄宿舎をユニバーシティ・ハウスに一本化することが明記されていました(現在この記述は削除されています)。日就寮は自分たちで入寮募集を行っているため、一方的に大学当局が廃寮することが難しく、日就寮に過激派の拠点というイメージを植え付け、新入寮生が入ってこないようにすることで寮生数の減少による自然消滅を狙っていたのだと考えています。
大学当局に対しては再三説明を求めてきましたが、下の画像のように一切説明する気のない返答がなされたり、文書自体が無視されたこともありました。このような大学当局の不誠実極まりない態度は決して看過できるものではありません。

日就寮のとる立場
寮として特定の政治党派の支配下にはいったことはないものの、過去に中核派の寮生が存在し、ごくまれにOP(卒寮生)として寮に遊びに来ることはあります(日就寮は40年以上前の卒寮生とも交流があります)。しかし、思想・信条の自由を担保するため、私達は特定の思想を持っていることを理由に寮生や来訪者を差別することはありません。同時に、思想や行動を誰かに強制するようなことも許していません。政治団体や宗教関係の人が来て勧誘されても、断る自由があり、議論をする自由もあり、一緒に活動する自由もあります。このことを寮生も、勧誘する側も理解しています。しかしこれは特別なことではなく、社会一般でもそうあるべきであり、大学という既存の物の見方を問い直す学問空間においては特に重要なことであると思います。なお、これらを尊重できない寮生や来訪者に関しては、退寮をお願いしたり、以後の来訪をお断りすることがあります。(幸い、今のところ前例はありません。)
日就寮による抗議と記述の変化
日就寮はこの「中核派記述」について、文書の発行元である学生支援課や東北大学「総長」に対して繰り返し抗議文を送付したり、情報開示請求を行なったりしてきました。大学当局は一貫して日就寮からの要望を無視してきましたが、2022年6月より当該文書の記述が「かつて中核派系全学連が拠点のひとつに位置付けていました」という過去形になりました。大学当局が実質的に誤りを認めたという事実は我々にとって大きな一歩ですが、しかしこの過去形の記述も一切の根拠はありません。また、「拠点」の根拠が日就寮にかつて中核派の学生が居住していたということであれば、学生運動が盛んだった時代にはどこの寮にも極左党派の寮生は住んでおり、他の寮だけでなく日就寮に対してのみこのような記述がなされるのは不当です。私たちは大学当局に対して「中核派記述」の完全削除を改めて求めていきます。
大学当局の妨害文書に対する公開質問状(2023年9月15日提出)
日就寮は2023年度も記述が変更されなかった理由に対して、東北大学当局に公開質問状を提出しました。
これに対して、東北大学当局は次のように回答しました。
妨害文書の撤回を求める要求書(2023年12月1日提出)
大学当局の回答は、こちらの質問に正面から答えずに論点ずらしをするばかりで、寮生として納得できるものではありませんでした。なにより、このような記述は福利厚生を必要とする学生からその機会を奪うものです。日就寮委員会は大学当局に対して、あらためて記述の撤回を求めて要求書を提出しました。
金沢大学泉学寮の廃寮に対する宣言
日就寮は2022年9月3、4日に日就寮にて開催された2022年度第1回全国学寮交流会において「金沢大学泉学寮の廃寮化に反対する声明」を採択しました。
2022年11月22日提出の公開質問状について
日就寮委員会は11月22日に学生支援課生活支援係、および総長・プロボスト室に対して2点の公開質問状を提出しました。公開質問状という形を取ったのは、今回の質問の内容は日就寮だけでなく、すべての学寮に関係する内容なので、広く公開されることで他の学寮に住む学生の利益にもなると考えたためです。
①「老朽化記述」に対する公開質問状
②「東北大学ビジョン2030」に対する公開質問状
大学当局からの回答
①「老朽化記述」に対する公開質問状への回答
老朽化記述については次のような回答があり、八木山三寮が耐震基準を満たしていることが確認されました。
②「東北大学ビジョン2030」に対する公開質問状への回答
「東北大学ビジョン2030」については次のような回答がありました。この回答は我々の質問事項を無視したおざなりな回答であり、学生に対して真摯な説明をするという意思を欠いているとしか思えません。